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キリンは長い舌を器用に使って、あっという間に餌を平らげた。
「すごい、とにかく近い。キリンの顔をこんなに間近で見たの、初めてです」
「あぁ、俺も。迫力がすごいな」
「拓さん、餌やり上手になってますね。ふふ」
「いや、まだ怖いよ。でも面白い。もう一回、下にいる動物見に行こうか」
2人で写真を撮ったり、時には大笑いしながら、動物たちとの触れ合いを楽しんだ。
ハードルの高いデートだったかもしれないが、拓さんの色んな表情を見ることができた。
私も、拓さんからどう見られるかとか、気遣いとか、一切抜きにして楽しむことができた。
それにしても、今日の拓さんはこの前のデートほど、グイグイ距離を詰めるようなことはしてこなかった。そういう日もあるのかな?
「ここにはグランピング施設があるみたいだから、次はそこに泊まっても良いかもしれないな」
「そうですね、実は気になってました」
「あぁ、時間を作ってまた来よう」
この日は早めに帰宅して、拓さんの自宅マンションにお邪魔することになった。一度、自宅に寄って着替えを取りに行かせてもらうことにする。
「動物の匂いとか、残ってそうですよね」
「そうだな、うちに着いたらシャワー使ってくれて良いから。沢山歩いたし、あとはゆっくり過ごそう」
「はい、ありがとうございます。あ、ご飯はどうしますか?」
「冷蔵庫にほとんど食材が残ってないな……今日はデリバリーにでもしようか」
この後は2人でゆっくり過ごせそうだ。今日の感想とか、色々話せたら嬉しいなと思っていた。
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