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美月含め広告事業部全員の面談を終え、水曜日になった。アドプラン社からのメールを確認していると、スマホが点滅した。
美月からの連絡だ。
「帰り少し話したいのですが、お時間ありますか?」
そんなの、何が何でも時間を作るに決まってるじゃないか。
とはいえ少し残業になりそうだ。「少し残っている仕事を片付けてから集合させて欲しい」と返信を入れておいた。
その後、イタリアンバルで美月から提案されたデートプランは面白くて。まだまだ俺の知らない美月が、飛び出してくるんじゃ無いかと楽しみになった。
実際、待ち遠しかったデートも、色んな表情の美月を見れてとても充実していた。美月自身も、自然の中で動物と触れあって、とても開放的な気持ちになっていたと思う。
今なら美月の本心を引き出せそうな気がする。ゆっくり話がしたいと、俺の自宅マンションに誘った。
「……でも、自信がないことで、拓さんの気持ちを蔑ろにしている感じがすごく嫌で」
「自信がないというか、美月は沢山傷ついていたんだと思うよ」
「え?」
「田沼さんには心無いことを言われ続けて、銀座では優劣をつけられて、小さな傷がどんどん重なっていく感じ。だからこれ以上傷つかないように、心にも休みが必要だったんだと思う」
「そっか、私、傷ついてたんだ……」
美月が見ないようにしてきた傷に踏み込むか悩んだが、後で心が爆発してしまうより、少しずつ受け止めていきたいと思った。
沢山泣いて目が赤くなっている美月が愛おしくて、今日は優しく寄り添ってあげたいと思っていた。……はずが、美月から「好き」と言われたのが嬉し過ぎて、俺はスイッチが入ってしまった。
2回イッた後にシャワーを浴びながら愛撫して、その後もひたすら美月の柔らかな体を貪って……。
女性を抱き潰すなんて、初めての経験だった。決して絶倫ではない。でも、美月を前にすると、それも完全に否定できない気がしてきた。
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