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「今回の買収の件でまだバタバタすると思いますし、親への挨拶は落ち着いてからで大丈夫ですよ?」
「確かに、美月も転籍してすぐは大変だろうから、少し落ち着いてからにしようか。とはいえ、同棲をそんなに先送りにするつもりはないぞ?」
「ふふ、そうですね。私も早く一緒に暮らしたいです!」
この後は2人でベッドに行き、あっという間に眠りについた。
明日・明後日も一緒にいられることが嬉しい。知らない拓さんの一面は、これからゆっくり、少しずつ知っていこうと思った。
***
土日は拓さんのマンションでゆっくり過ごした。
WEBでマンションの空き情報や間取りを見て、「ここ良さそう!」と言うのを一緒に探していった。
拓さんの知り合いに不動産仲介業をやっている人がいるらしく、早速電話をして内見日を取り付けていた。このペースだと同棲もすぐに始められそうだ。
拓さんに車を出してもらって、食器や家具も見に行った。食器はすぐにでも使えるから、といくつか買い足す。
その後、一度私のアパートにも寄ってもらい、荷物を追加で取りに行った。
今住んでいるおんぼろアパートを拓さんに見せるのは正直引けたが、どうしても「美月の部屋に行ってみたい!」と言って聞かないので、やむを得ず部屋に通すことにした。
「お邪魔します」
「どうぞ、すみません狭いんですけど……すぐ荷物まとめますので、そこに座っててください」
「いや、ゆっくりで良いよ。なんか美月の匂いがして落ち着くし」
「もう、どんな匂いですかっ 今お茶出しますね」
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