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そう言って目をキラキラさせながら、可愛くお願いされてしまう。一先ずこの場では了承しておいて、後で拓さんにも相談してみよう。
「分かった。と言っても私もこの会社に来たばかりだし、出来る範囲で良ければ」
「わぁ!本当ですか!?ありがとうございます!!」
「……ちなみに、もし松本さんに彼女がいるって分かったら、どうするの?」
「それは…そうですね、簡単には諦めないと思います!こんなに好きになったの初めてですし! 何なら奪っちゃおうかなぁ?
私まだ23才だし、若い子の方が良いと思うんですよね〜……って美月さん、体調悪そうですけど、大丈夫ですか?」
びっくりして顔が引き攣っていたかもしれない。急いで表情を緩める。
「ごめん、ロコモコ丼、量が多かったみたい。ちょっと苦しくなっちゃった」
「え〜大丈夫ですか?? 美月さん、少食なんですね。お茶持ってきましょうか?」
「ううん、大丈夫。それより、銀座はまだ続けてるの?」
「はい、たまに出勤してますよ!どこで出会いがあるか分からないですから。また拓さんに会えるかもしれないですし!」
「……果林ちゃんは、松本さんのどんな所が好きなの?」
「うーん、まだこの会社でちょっとしか話したことがないんですが……やっぱり顔ですかね! 芸能人かっていうくらいかっこいいですし。若くして課長っていうのも、仕事が出来て凄いですし。
あとお父様もダンディな経営者って感じで、素敵な人でした。拓さんも歳を取ったらああいう感じになるのかなぁ?って」
「そうなんだ」
顔とかスペックとか、社会的なステータスとか……拓さんが一番苦手なタイプだろうなと思った。
とはいえ、拓さんが“絶対に好きにならない”かと言われたら、世の中に『絶対』ということはないのかも……とまだ少し弱気になってしまう。
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