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拓さん、こんなに社員から信頼されてるなんて。やっぱり凄いなと思う。
拓さんに聞かせてあげたいけど、聞かせたら聞かせたで、すごく恥ずかしがりそうだな。
「「「拓さんって呼んでる!!」」」
「あ、すみません、ついいつもの呼び方に戻ってしまって」
「えーもう松本さんも呼んじゃいましょうよ。松本さんが鼻の下伸ばしてるところ、見てみたいし」
「大塚さん、落ち着いて。話は戻るけど、お昼に何かあったのかなと思ったんだけど、松本さんに関わること?
あの人凄くモテるし、私達で良ければ話聞くよ?」
3人になら、安心して果林ちゃんの件を話せそうだ。今日のランチでの出来事を話し始めた。
銀座のことは隠しておこうか悩んだけれど、この3人なら変な偏見も持たれ無さそうなので、それも一緒に話した。
「いやぁ、なんか、松本さんが嫌いそうなタイプだね」
「本当ですねー 自分のために転職してきたって、『お前には自分の意思とか叶えたいキャリアとか無いのか?』って言いそう」
「松本さん、昔はそういう人にも優しく対応してたみたいだけど、最近は結構辛辣な対応するみたいね。『そういう人に限って、言っても伝わらない』って嘆いてたわ」
「向原さん、そんな奴、相手にしなくて良いと思うんスけど」
秋田さんと大塚さんが、うんうんと大きく頷く。
「その子に、『松本さんと付き合ってます!』って言っちゃったとしても、松本さんなら向原さんのこと守ってくれそうよね」
「そうだと思うんですけど、何されるか分からなくて、怖いな……と思ってしまって」
「もし会社で何かあったら、私たちが向原さんを守るから。安心して?」
「そうですよ! そういう女は何するか分からないから、私たちも用心しましょう!」
「俺も用心棒になりますよ。って、松本さんがいたら俺の出番なさそうだけど……」
「あはは、確かに!」と女性陣が笑う。
みんなの気遣いが嬉しくて、ちょっと涙が出そうになってしまった。
そんな時に突然、私達のテーブルに見慣れた顔が現れる。
「みんな、お疲れ」
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