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*  結局、私は彼の元に戻ってきてしまう。  彼のことが好き。  本当はタイプじゃない筈なのに惹かれるくらい好き。  少し頼りないなって思うところはあるけれど、彼は私の大切な人。  でも、完璧な人なんて居ない。  足りない部分は私が補わなきゃって思うのに、何故だか心が重苦しい。 「ただいま」 「まちこ! 遅かったね」  同棲中のアパートでは飲み会終わりの彼が丁度ネクタイを外していた。本当は彼が帰る前に帰りたかったけれど、グズグズと徒歩で帰ったから仕方がない。 「お酒、飲んできたんだ」 「うん」 「普段はそんなに飲まないのにね」  “誰のせいで”と毒付きそうになった。こっちは引っ越しに人生が掛かっているかもしれないのに、どうして呑気なのか。 (結局、私のことそんなに好きじゃないんだ)
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