LOVE - END

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「初めて娘に職場に会いに来てもらえて嬉しいだろ〜?」 「何の用だ」 一目散に執務机に腰をかけ、華と向き合うこともない。 お父様は相変わらずお忙しいらしい。 「昔、操が付き合ってた彼氏いただろ? あんたあのふたりをどうやって壊したんだ?」 妹が昔付き合っていた恋人について、単刀直入に訊く。 「なんか取り引きでもしたのか?」 無表情の中の、瞳の中の微妙な生理反応を見逃さない。 「手段は知らないが、無理やり別れさせたって認めるんだな?」 「昔の話など覚えていない」 向き合う気のない肇にぷちんと切れた華は立ち上がりつかつかと執務机まで歩む。そして肇が目を落としている書類を無理やりひったくる。 「あんたが覚えてなくても当人は覚えてんだッ! 時間が経っても苦しんでんだよッ!」 前、陸に会った際。彼は妹の心配をしていた。 その表情が酷く苦しげで、いまだに消化できていないのだと察した。 「で、今も同じことした? 深澤律に」 「身に覚えがない」 「なぁ、真面目に答えろよ」 「お前は好きな亜澄君と結婚するんだ。その人物がなにか関係あるのか?」 ――好きな、亜澄君? 「お前たちの相手は新堂の一員であり、私の婿になる。普通の家だと思うな。悪い虫はお呼びでない。当然だ」 「悪い虫なんかじゃねぇし。あんたが悪い虫に仕立て上げたんだ」 「知らないと言ってる。言いがかりはやめろ」 近くにいたらブン殴ってしまいそうで、もうこれ以上ここにはいられないと思った。 「で……いつ披露宴をするんだ?」 ――マジでこいつだけはブレない! 「悪いことしたらそのうち自分に跳ね返ってくるんだからなッ!」 書類を顔面に投げつけてやる。
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