LOVE - END

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亜澄は自分で去就を考えるだろう。このまま何ごともなかった顔でやっていける人間ではないはず。その答えを、ひとまず待ちたいと思う。 華はオフィスを出ると徒歩にして1分程度の位置にあるマンションへと赴いた。呼び出しをしても住人は不在。 ――まぁ、そうだろうな。 そもそも広告代理店は超絶ブラックで有名。その上に律は出世だか実績作りだか知らないが余計に忙しくしているらしい。帰宅は早くとも終電後になるだろう。 ドアの前でしゃがんでうずくまる。 ここに毎日通っていた時もあった。あの時の華はまるで猫のように傍若無人に振る舞い、何もかも律に寄りかかりきりだった。可愛げがなかったかもしれない。いや、なかった。 料理作ったり家事したり、もうちょっと女らしくするべきだったのだろうか。シャンプーとか捨てない方がよかった? いやそれよりも根本的に女らしくなるべきなのか。そのへんどうなんだろ? あぁでもないこうでもないと考えているうちに眠っていたようだ。『華』と肩を揺さぶられて目覚めた。 「……んぁ?」 あぁ、律だ。 すぐさま立ち上がり、向き合って視線を合わせる。コンペで会う機会は多くあれどふたりきりになる時間はそれほどなかったから、なんだか久しぶりな感じさえする。 「なんでこんなところで座ってんだよ!」 なんで、じゃない。こんなところで、じゃない。用があるから来たんだ。それ以外になにかあるんかよ。 「あんたさぁ」 まるでケンカをふっかけるように、手が勝手に律の胸ぐらを掴んでいた。   「誰が好きなのか言えよ」 次に会ったらもう少し可愛げを……そう思っていたがいつも通りになってしまった。まぁいいや。 水を向けてやってもなかなか視線を合わせようとしないので『あぁ!?』とさらに圧をかけると、やっとこちらを見た。 「俺は……ずっと華が好きだよ。ヒクくらい前から」 自信満々ではない。悪いことをやって責められてる人みたいに、おずおずと言うのだ。 ずどーん? ずきゅーん? 律の気持ちが自分にあったのだと確認できて、変な効果音を伴いながら胸をえぐる衝撃があったのは間違いない。だが怒り顔を崩さずに訊く。
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