第1話

3/4

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
春真と拓海は明良の肩に片手を置いた。 「でも安心して明良ちゃん!今んとこ魔王はいないけど仕事はあるから!街の朝夕の見回りに迷子のペット探しとか」 「それじゃ私達ただの犬のお巡りさんじゃないですか!」 憤る明良とは反対に2人は冷静だ。 「そうだよ」 「けど呼び名はちょっと違くて、うちらはココ、天音駐屯所の『警備員さん』なの」 ☓ ※宮本春真の脳内日記。 空間移動すると鴨になる呪いかけられた。 あの魔王め。死にぞこないのくせに最期の力振り絞って人を獣化させやがって。現代の世界から二度とヴァニラに来させないようにしたかったのが目的だな?けしからん。ポケットにチョーク入れといて助かった。 それに秘密を共有する新しい仲間ができた。 田辺明良ちゃん。 転校初日にうち等に見付かっただけでヴァニラ行き来出来る権利兼、隠れ蓑の『ボランティア部』に強制入部となっちゃった。まだ本人には告げてないけど、どさくさ紛れにサイン貰ったから手続き完了。明良ちゃんご愁傷さまです。 魔王討伐で疲れたし、今日の駐屯所のパトロールどうしょっかなぁ。 あ、今『中学生で警察のバイトでもしてんの?』と思ったそこの貴方!違います。これはバイトじゃなくて紛れもない仕事。ちなみにウチの学校側から言わせれば、これは単なる部活動の一環だそうだ。 意味が分からない貴方!分かります。私も最初そう思ったから。 しかしここではこれが通常運転。 部室の扉隔てた現実世界と離れた別世界ね。 空間の歪みが学校の我が部室に生じたのが事の始まり。 政府は、ヴァニラの軍隊との争いが勃発しない様に異世界のお偉いさんと友好条約を結び現代の人間を何人かヴァニラに送る事で互いに衝突しないよう同盟を組んだんだって。 人質駄目絶対!と思ってくれたそこの苦情ある勇気をお持ちである貴方! 文句は裏国家と繋がってるウチの学校の上層部に直訴してください。お願いします。 でも、私等の活動は国家秘密扱いなんで、この事実を知っていることがバレたら消されちゃうんだって〜。恐いよね。だから慎重にやってね☆ この活動が世間もしくは家族にでも知られたら抹消される手はずになってるから。容赦無いんだな。 卒業までこっちの世界の実情を秘密で通せたら受け取れる報酬金1千万は安いと思いました。作文。 ちなみに、ヴァニラの警備員は現代での警察官扱い。一応これでもこの世界のお抱え警備団って事になってるし。 うち等も、最初は疑問だらけだった。今もだけど。 取り敢えず言える事は 慣れって怖い。 ジリリリリリ…。 ああ、もう時間だ。 脳内日記強制終了。 ☓
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加