二章

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この二人に期待していたわけではないが、アシュリーへの謝罪などは一切なかった。 ただ都合よく使うためにはどうすればいいのか……宥めるためだけに言った軽薄な言葉が浮き彫りになっていく。 反応を伺っているように見えて、絶対に断らないと思い込んでいる。 アシュリーならば、今まで通り絶対に自分たちの言うことを聞くと思っている馬鹿な二人に知ってもらわなければならない。 (わたくしは、もう人形じゃないのよ?) 繋がっていた糸は完全に断ち切った。 もうアシュリーを誰も縛り付けることはできはしない。 ドキドキとする心臓を押さえた。 感じている高揚感は初めての感覚だった。 (……ふふっ、いいのかしら) これから生まれて初めて両親に反抗するのだ。 新しく踏み出す一歩は、期待に満ち溢れていたものだ。 (わたくしは、今から悪い子になるのね……!) アシュリーは大きく息を吸い込んだ。 「絶対に嫌よ」 「……え?」 「なんだって……!?」 「わたくしは嫌だ、と言ったのです」 その言葉に愕然としているカルロスとキャロルに向かって、淡々と言葉を放つ。
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