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「ロイスお兄様……?どうして」
「それはこちらの台詞だ!どうしてこんなになるまで黙っていたんだ!クララが教えてくれなければ……っ」
「クララ……」
「……申し訳ございません、アシュリーお嬢様」
「ううん、いいの。ありがとう、クララ」
二つ年上のロイスはアシュリーがこうなってから守ろうと必死に両親に食らいついては立ち向かってくれた。
ロイスと共に邸をこっそりと抜け出して、街に行ったのはいい思い出だ。
そしてもっとアシュリーは自由であるべきだ、邸に閉じ込めておくべきではないと主張して訴えかけてくれた。
しかしそんなロイスが邪魔に思ったのか両親は彼が十二の時から隣国、ペイスリーブ王国の六年制の学園に通わせ始めたのだ。
ペイスリーブ王国は大国で貴族たちは魔法を使える。
その魔法の力で国を守るとても珍しい国だ。
そしてアシュリーの母方の祖母はペイスリーブ王国出身で魔法の力を使えずにサルバリー王国に嫁いできたそうだ。
今年はロイスと同い年のペイスリーブ王国の王太子、ギルバートも学園に通っている。
そんな狙いもあったからなのかロイスは留学としてペイスリーブ王国の学園に通っていた。
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