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「……バート様?」
「護衛として一緒に来てくれたんだ」
「アシュリー嬢、バートだ。よろしく」
ロイスがバートを紹介する言葉は何故か歯切れが悪い。
バートはアシュリーの手を取り、そっと手の甲に口付けた。
アシュリーはただならぬオーラを発しているバートに釘付けになっていた。
バートはペイスリーブ王国で魔法の力がないロイスを守ってくれてくれているのだろうか。
そこまで危険はないと聞いたが、兄に何かあったのか心配になったアシュリーだったが、そういうわけではないらしい。
兄の友人に失礼があってはいけないと改めて挨拶をしようとフラリとよろめいたアシュリーをバートが支える。
「……もっ、申し訳ございません!」
「いや……大丈夫かい?」
バートはアシュリーを支えるように腕を伸ばす。
逞しい腕に支えられたアシュリーはバートを見上げるようにしてお礼を言った。
弱々しくも微笑むアシュリーにバートは大きく目を見開いている。
「アシュリー、そんなに顔色が悪いのにどこに行こうと言うんだ?」
ロイスの言葉にアシュリーは唇を噛んで俯いた。
クララからアシュリーの詳しい状況を聞いたロイスは震える手を握った。
そして直様、抗議するために両親の元へと向かった。
アシュリーを城に向かわせるべきではない、喧嘩はやめてくれと二人に訴えかけた。
三人は激しく罵り合っていた。
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