一章

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自分が原因でロイスと両親の仲まで悪くなってしまう……それを心苦しく思い「わたくしが悪いのです!」と、ロイスを止めようと必死になっていた。 すべては優しい兄の未来を守るためだと思った。 両親に邪魔だと突き飛ばされたアシュリーをバートが支えた。 クララがアシュリーの元に駆け寄る。 「ありがとうございます、バート様」 「……いえ」 そこで両親を睨みつけるバートの存在に気づいたのだろう。 両親はやっと喧嘩をやめた。 しかし気持ちが収まらないのか、バートに挨拶をした後に隣の部屋へと移動する。 バートがアシュリーを抱えて部屋へと運んでくれた。 結局、両親は納得していなかったがロイスとバートの説得でアシュリーは休むことになった。 ロイスが両親と話し合っている間、アシュリーはバートと他愛のない話をしていた。 クララが紅茶と菓子を置いて後ろに待機している。 「申し訳ございません。お見苦しいところをお見せしてしまって」 アシュリーが謝罪するとバートは緩く首を横に振る。 そしてある言葉を口にする。 「ずっとこうなのですか?」 「……っ!」
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