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アシュリーはオースティンに駆け寄り、公爵が仕事をしている間、彼の話し相手になった。
そこで病の話を聞いたアシュリーは、あまりに可哀想なオースティンの現状に涙を流す。
そしてアシュリーがオースティンの手を握ると、淡い光が辺りを包み込み……なんとオースティンの症状が軽くなったように感じたのだ。
オースティンは驚いて、すぐにその足でアシュリーの手を握りながら国王と王妃の元に知らせに向かった。
アシュリーが六歳の時、聖女としての力がわかった最初のキッカケになる。
アシュリーは何度か病や怪我を患うものたちに同じようなことを行った。
アシュリーは一時的に病や痛みを抑えることができて、国を魔獣から守る結界を張れる聖女ではないかとの結論に至った。
サルバリー国王と王妃は大いに喜んだ。
魔獣の影響で騎士たちは疲弊して、辺境の村では被害が絶えなかったからだ。
アシュリーの聖女としての力は、まさに天からの贈り物だった。
王家はすぐに手続きを行い、アシュリーはオースティンの婚約者になった。
それからずっとオースティンのために力を使っていた。
数年後、オースティンは普通の生活が出来るまで病状が回復することになる。
サルバリー国王や王妃は喜んでアシュリーに深く感謝した。
アシュリーも自分の力が役に立つのならと喜んだ。
けれどその裏で、アシュリーの力を多用されることを恐れたエルネット公爵は次第にアシュリーが外に出ることを禁じていた。
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