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カルゴに支えられて、苦しそうに呼吸するのが精一杯のオースティンの姿を見てアシュリーはいい気味だと笑うだろうか。
目の前にはギルバートとアシュリーが寄り添う姿。
ふと横を見ると鏡が映る。
咳で眠れていないのか、目の下には隈が目立つ。
以前より病が進行したのか痩せ細り覇気もない。
しかし生にしがみついている自分がいる。
アシュリーが聖女として再び力を使ってくれるならまだ希望はあるはずだ。
アシュリーと目が合った瞬間、希望を見出したオースティンの瞳に光が宿る。
アシュリーから笑みは消えて目を細めた。
しかし言葉を紡ごうとしてもすぐに咳き込み背中を丸めてしまう。
「……ごきげんよう、オースティン殿下」
「ア、シュリー……けほっ」
「…………」
熱が上がってしまったのだろう。
まるでアシュリーに助けを求めているようにオースティンが震える手を伸ばす。
しかしギルバートはアシュリーを守るように肩を寄せて抱き込んだ。
「陛下……!もう長い時間はっ」
「わかっておる!」
カルゴが焦ったように大きく首を振る。
大きく頷いた父はオースティンに向かって口を開いた。
「オースティン、聞こえるか……!?」
「は、い……ッごほ」
「アシュリーは今までのお前の態度に心を痛めているんだ。どうすればいいかわかるな?」
「……!ごほ、っ」
オースティンの頬からは止め処なく涙が流れていく。
深々と頭を下げているオースティンは絞り出すように声を出した。
(オースティンside end)
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