四章

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「もしアシュリーをこれ以上傷つけるというのなら、僕は今この場を血で染め上げ、今度こそお前たちに地獄をみせてやる」 「……っ!」 ギルバートはサルバリー国王の陳腐な脅しにはまったく屈することはない。 まるでお前たちにはなんの権限もないとでも言うように静かに言葉を返す。 「ゴホッ!っ……ア、シュリー」 手を伸ばし続けるオースティンを見て、青褪めたサルバリー国王と王妃は震える声で叫んだ。 「頼むっ!アシュリー、オースティンをっ」 「ッ、アシュリー!今までのことはすべて私たちが悪かったわ……!だからッ、だから……!」 「許してくれ、お願いだっ!」 体を丸め涙を流し、床に頭を擦り付けて叫ぶ姿を見てもアシュリーの笑みは更に深まるだけ。 「一つ……いいことを教えてさしあげますわ」 「なんだッ!?なんでも言ってくれ!」 「オースティン殿下を見ていて、わかりませんか?」 アシュリーはゆっくりと首を傾げてから口角を上げた。 オースティンを見ながら目を細めて、残酷な真実を伝える。 「もう手遅れでしょう?」 もうアシュリーの力ではどうにかできる段階ではないほど病に蝕まれているというのに。 (……チャンスは何度もあったのに)
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