四章

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二人は信じたくないのだろうが誰がどう見てもわかることだった。 オースティンの止まり続けていた症状が、ユイナの持っていた魔力が尽きたことで進行していく。 そしてユイナがいなくなり、まったく治療を施さなくなったことで今はもう取り返しがつかないところまでいってしまう。 今、治療しようとここまで苦しい状態は変わらない。 アシュリーの魔法は万能ではない。 幼い頃、オースティンの病をアシュリーの魔法で食い止めていた。 彼の体が大きくなり、治ったように見えたが完治していたわけではなかったのだ。 治したわけではなく、食い止めるだけ。 「今のオースティン殿下に力を使ったところで何も意味はありません」 「そ、んな……」 「…………嘘だ」 「ただ壊れるのを待つだけ」   アシュリーの言葉に周囲は静まり返っていた。 オースティンは意識を失い、騎士たちに抱えられながら去っていく。 サルバリー国王は膝を突いたまま唖然としてピクリとも動かなかない。 王妃は泣き崩れて狂ったように叫んでいたが騎士たちに引き摺られるように連れて行かれてしまった。
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