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母も同じことをしていた。
アシュリーの部屋には、知らない人がひっきりなしに訪れるようになり、同じように金属が擦れる音がする袋を貰っていた。
次第に城に向かう以外は、ずっと部屋に居続けなければならなくなった。
しかしいつも喧嘩ばかりしている両親が袋を得ると笑顔になる。
両親の仲は一瞬だけ良くなるのだ。
家族が幸せになってくれるならばと幼いアシュリーは力を使い続けた。
自分が良い子でさえいれば、家族は仲良く笑顔でいられると信じて疑わなかった。
しかしアシュリーの想いとは裏腹に両親の喧嘩が絶えなくなった。
与えられる自由も、権利も、どんどんなくなっていく。
まるで見えない鎖に繋がれているみたいだと思った。
アシュリーは苦しいのに苦しくないフリをしていた。
泣き出しそうな自分を押し込めて、笑顔を浮かべ続けた。
そうでなければ心が壊れてしまいそうだったからだ。
ついには庭にも出られず、自分の部屋から外を眺めていた。
唯一の外出は毎朝、魔獣を祓う結界を張る時だけ。
アシュリーはオースティンに会うのをとても楽しみにしていた。
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