一章

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両親は令息たちの親に猛抗議した。 そして国王やオースティンに対しても、かなり強い態度で怒りを見せたのだそうだ。 『アシュリーがいなければ、オースティン殿下は生きられないのよ!?それなのに何を考えているのですか』 『アシュリーの力が失われたら国の損失になるのですよ!?オースティン殿下もアシュリーに救われたでしょう!』 特別な力を持つ、アシュリーの存在は何にも代えられない……そんなアシュリーをお前たちは傷つけたのだと、エルネット公爵はオースティンを容赦なく責め立てた。 その時から、アシュリーとオースティンの二人の関係に深い深い亀裂が生まれた。 カルロスから心ない言葉で責められたオースティンは自分の病が治ったことをずっとアシュリーに感謝し続けなければならないという現実や理不尽な扱いに腹が立ったのだろう。 その時、オースティンのアシュリーへの気持ちに暗い影が射した。 オースティンは王太子という立場やプライドもあり、アシュリーを敬い、感謝していかなければいけない現実を受け入れられずに、次第にアシュリーを疎ましく思っていった。 そんな彼の態度を見ていた他の令嬢や令息たちからも嫌厭されることとなる。 多感な時期ゆえに、アシュリーは周囲から爪弾きにされていく。
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