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──数日後
ペイスリーブ国王から両親の元にも手紙が届いた。
それはギルバートからの結婚の申し込みだった。
そしてアシュリーの部屋の窓からひらひらと飛んできたのは宛先のない真っ黒な封筒。
真っ赤な蝋を剥がして中身を読んでいくとギルバートの伝言だと気づくことができる。
(ギルバート殿下の準備が整ったのね)
アシュリーは近くにあった蝋燭で手紙を燃やしていく。
早々に動いてくれたギルバートには感謝していた。
昔からアシュリーに想いを寄せていたと彼は言った。
アシュリーは大きなパーティーで何度もギルバートと顔を合わせたことはある。
しかしそれも数回だけで表面的な挨拶だけだった。
それでも彼はアシュリーを愛していると言う。
『ペイスリーブ王国では君の自由と幸せを約束しよう』
しかしペイスリーブ王国のギルバートの元に嫁ぐためには両親の許可がいる。
今まで散々逃げ回っていたためアシュリーが両親にキチンとした形で会うのは、玄関で罵倒されて意識を失って以来だった。
アシュリーは久しぶりに父と母の前に顔を出した。
二人は話し合いの場に現れたことに安心したのか、ホッと息を吐き出した。
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