一章

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あの時、自分が気をつけていればオースティンや令息たちは傷付かずに済んだかもしれない。 そんな罪悪感もあったからか、どんな態度を取られてもアシュリーはオースティンに誠実に接し続けた。 唯一、関わることを許されているオースティンとまた以前のように仲良くしたい気持ちが強かったのかもしれない。 オースティンが城の中庭で楽しそうに令息や令嬢たちとお茶をする姿を羨ましく思っていた。 (わたくしも、オースティン殿下にあんな風に笑顔を向けられてみたい……) けれどアシュリーの細やかな願いとは裏腹に、二人の関係はうまくはいかなかった。 オースティンに触れられるのは大きなパーティーや必ず出席しなければならない式典のみ。 そこでもアシュリーは孤独に苛まれることになる。 何故か針のように突き刺さる視線……こうして治療だけしかしていないアシュリーに、皆からは恨みが籠った視線を向けられることも増えた。 (どうして……?何故、皆はわたくしを睨みつけるの?) その理由もわからないまま、あまりの居心地の悪さに会場を抜け出したこともある。 たまに他国の人と交流したり話したりすることがアシュリーの楽しみだった。 そんな時間も両親にバレてしまえばすぐに会場に連れ戻されてしまうのだが。
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