二章

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今まではどんなことがあったとしても、アシュリーはずっと黙って気づかないフリをしていた。 けれどそんな愚かな日々はもう繰り返すことはないだろう。 「そ、それは……あの時は感情的になってしまっていたんだよ!本当はそんなことを思っているわけないだろう?」 「本当はあなたを世界で一番愛しているわ!大切な娘ですもの」 「気が動転して……どうかしていたんだ!アシュリー、お前ならわかってくれるはずだ!」 焦りながら言い訳を繰り返す二人をじっと見ていた。 そしてその後にアシュリーはいつものように口角を上げた。 それを見た父と母は許してもらえたと解釈したのだろう。 ギルバートの元へはいかないと解釈したようで、彼らはホッと胸を撫で下ろしているようだ。 二人は様子がいつもと違うことに気づきもしない。 (ロイスお兄様とクララとは全然違うわ……) 手紙と共にギルバートから贈られてきた花をクララから受け取った。 俯くように咲く赤や紫のオダマキの花を見てクスリと笑った。 それから、そっと花弁を撫でた。 ギルバートの気遣いのおかげでアシュリーは迷わず前に進めるような気がした。 「わたくしは……」 「なんだい?アシュリー!何でも言いなさい」 「あなたは本当に自慢の娘よっ!私たちはアシュリーを愛してるわ」
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