二章

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「今、なんて言ったの……?」 「嫌ですわ。やりたくありません」 「アシュリー……?」 「お父様とお母様が連れてくる方々に、もう治療は致しません」 「……は」 「なっ、え……」 「部屋にも戻らないわ……絶対に」 カルロスは笑みを浮かべながらも口元がヒクヒクと痙攣している。 キャルロスは言葉の意味が理解できていないのか瞳が左右に揺れ動いている。 その様子を見て唇は綺麗に弧を描いた。 「アシュリー、お前は自分が何を言っているのか、わかっているのか……?」 「もちろんですわ」 「そっ、そしたらお待たせしている方々はどうするんだッ」 「そんなの、わたくしは知りませんわ。お父様とお母様が勝手に約束しただけでしょう?」 「アシュリー、一体どうしたの!?」 「わたくしはわたくしが力を使いたい方に使います。今後、わたくしの力はわたくしのものです」 「お、お前の力をずっと守ってきたのは我々なんだぞっ!?」 「アシュリー……治療は絶対に必要なことなのよ!?あなたが幸せになるためにも」 幸せになるため、その言葉に心が軋む。 (わたくしが治療して幸せになるのは、お父様とお母様だけでしょう……?) 轟々と燃え上がる憎しみを抑えながらもアシュリーは口を開いた。
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