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「何を勘違いなさっているのですか……?そもそもお父様とお母様が勝手にどんどんと連れてくるだけで、わたくしは自分から望んで治療をしていませんから」
「……っ!」
いつものように微笑みながら答えた。
母は目を見開いて怒りに震えている。
「なんて悪い子なの……!?」
「今までの我々に守られてきた恩を忘れたのかっ!?」
「今なら許してあげるわ!アシュリー……言うことを聞きなさいっ!」
「治療をするというんだッ!」
「…………」
アシュリーが今まで一度も反抗したことがないためか、両親から出てくる言葉は拙く、ただ単調な言葉を繰り返すだけ。
言うことを聞かないからと無理矢理、上から押さえつけようとしている。
恐らく少しでも反抗していたら、こうして責め立てられていたのだろう。
今まではアシュリーが反抗しなかったからうまくいっていたに過ぎない。
たった一回、言うことを聞かなかっただけで両親にとってアシュリーは悪い子になってしまった。
(ああ……悪い子になるって、こんなに簡単だったね)
絶望を映す瞳の中には、思い通りに動かないアシュリーに苛立っている二人の姿。
今まで良い子だったアシュリーは、たった一回の反発ですべてを否定されてしまう。
ずっと積み重ねていたものは一瞬で無に帰する。
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