二章

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両親の幸せに自分の価値を見出してきたが、価値観をひっくり返すような出来事が起きてしまった。 狭い狭い世界の中で生きてきたアシュリーの目が覚めた瞬間だった。 目の前に映るのは、醜く欲に塗れた汚い姿だけだ。 これが国のため人のため、家族のために尽くしてきた良い子な〝アシュリー〟の末路だ。 (大っ嫌い、大嫌い、大嫌い………!) 「あは……っ!アハハハッ」 「……!?」 「アシュ、リー……?」 二人の馬鹿馬鹿しい言葉の数々にアシュリーは笑いが止まらなかった。 狂ったように声を立てて笑う姿を見ながら二人はただ唇を噛み締める。 一頻り笑い終えた後、小さく息を吐き出して呼吸を整えた。 それから満面の笑みを浮かべながら震える唇を開いた。 「わたくし、お父様とお母様が大っ嫌い……」 自分でも驚くほどに低い声が出た。 これが今までアシュリーが隠してきた本当の気持ちなのだ。 そのアシュリーの言葉を聞いた父と母は、次第に激しい怒りを露わにする。 「──大嫌いだと!?よくもそんなことをっ!」 「私たちがいたから、こうしてあなたは幸せに暮らせているのよ!?」 「暫く放っておいてやれば、つけあがりおって……ッ!」 「今すぐに撤回しなさい、アシュリーッ!」
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