二章

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都合の良い金儲けの道具としか思ってなかった両親も。 治療を受けながらも見下して馬鹿にしていた婚約者も。 利用価値がなくなれば、塵のように捨てた国王と王妃もすべてなくなってしまえばいい。 「どうしてお父様とお母様はわたくしを部屋に閉じ込めるの?どうしてどこにも行ってはいけないの?どうしてわたくしは力を使い続けなくてはいけないのかしら……?」 「……っ」 「どうして?教えてくださいませ」 気づいてしまえば、もう戻れない。 アシュリーは追い討ちをかけるように問いかける。 「それに、わたくしがオースティン殿下を治療することで王家から大金をもらっていたのでしょう?治療した方々からも金品を受け取っていたと聞きましたわ」 「……何故、それを!?」 「でもね、不思議なのよ?わたくしはお父様とお母様から何もらったことがないの……何でかしら」 「……ッ!」 親だからと当然のように搾取する。 甘い言葉を吐き散らして、言うことを聞かせようと押し潰す。 そんなことが許されていいのだろうか。 「毎日わたくしが治療を施していた人たちの治療費……その見返りを貰っていますよね?」 「………そ、れは」
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