二章

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「今までわたくしが稼いだお金を返してくださいませ……お父様とお母様だけいい思いをしていたなんてずるいわ」 「……っ」 「わたくしは何も知らなかったのよ?」 都合の悪いことは見えないようにすべて見えないように隠してしまう。 それを見て見ぬふりをしていたアシュリーが愚かだったのだ。 「アシュリー、それはあなたを守ろうとして……っ!」 「……守る?」 「そ、そうだ……!」 「お父様とお母様は、わたくしを何から守っていたの?」 「……ッ」 王家から責められた時、守るどころか二人は更に責め立てたではないか。 アシュリーを殴り、役立たずだと罵ったのに。 (まだ隠そうとするつもりなのかしら………やっぱりわたくしは金儲けの道具だった。今もこうして嘘ばかり吐いて都合のいい人形でいさせようとするの) 再び両親と対峙して思うことどうしようもない憎悪……それだけだった。 「お父様とお母様は嘘つきね」 「……ア、シュリー?」 「嘘つき嘘つき、嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき……っ!」 アシュリーのいつもと違った様子を見て、二人は愕然としている。 「……どうしてわたくしだけ何ももらえないのかしら」
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