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「君がそばにいるなんて夢みたいだよ、アシュリー」
「わたくしも……あなたがわたくしを助けてくださってよかったわ。ギルバート」
「ああ、アシュリー」
毎日、ギルバートは愛おしそうに口づけては抱きしめてくる。
「ありがとう」「愛している」「幸せだ」
こんなにもアシュリーを必要として求めてくれる。
心が傷だらけになっていたアシュリーにとって、ギルバートの愛は少しずつアシュリーを癒してくれる。
ただ存在を肯定してくれるギルバートに絆されそうになるのを必死で耐えていた。
(復讐が終わるまでは……わたくしは揺らがない)
彼はアシュリーに正体を明かした時から、ストッパーが外れてしまったかのように愛情を向けてくる。
あまりにも完璧すぎるギルバートに疑念を抱いてしまう。
心を許したら彼はどう変化するのだろう。
互いの目的のためにこうすることを決めたのはアシュリーとギルバートだ。
彼と一緒にいることで、本当に愛されているのではと勘違いしてしまいそうになる。
そう思うのと同時にこう思うのだ。
『また裏切られたら?』
オースティンの時のように急に仲が崩れてしまうこともあるだろう。
『わたくしが愛されるわけがない』
アシュリーはずっとオースティンに愛されようとしてきた。
また騙されるのではないか、利用されて捨てられてしまったらと思うと踏み出せない。
(ギルバート殿下が何を考えているか、よくわからないわ)
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