二章

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兄であるロイスと侍女のクララはアシュリーの幸せを心から喜んでくれている。 しかしギルバートとの約束やアシュリーがやろうとしていることを知ったらどう思うのだろうか。 ロイスとクララは、アシュリーが今からやろうとすることを知れば必ずダメだ、やめろと止めるだろう。 だから何もかもが終わるまで二人には何も知らないまま笑っていて欲しい。 地獄に足を踏み入れるのは自分だけでいいのだ。 (ロイスお兄様とクララだけは、絶対に守ってみせるわ) ロイスとクララがこちらの様子に気づくことなく過ごせるようにギルバートはすぐに手を回してくれた。 終焉は一年以内には迎えることができるだろう。 唯一ストッパーだったロイスがエルネット公爵家からいなくなれば、もう誰も父と母を止められる者はいなくなる。 そうすればアシュリーの思惑通りというわけだ。 (今は幸せの絶頂にいるの……だけどね、わたくしがすべて壊してあげる)
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