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河童の秘薬
なんの結論も出ないまま、ただの自慢大会と化したJ K C の帰り道、ムジロウはため息をつきながら隣を泳ぐ淀川の長老に話しかけた。
「ガタロウよ、そろそろ改革の時が来たんとちゃうやろか?」
「まぁ、そやな……。他の長老はアテにならんしな」
「ぶっ放すか、あの計画を」
5年前、今日と同じように無駄な時間を過ごしたJ K Cの帰り道、ムジロウとガタロウは腹を割って少子化問題を話した。
人間は好きではないが、自分達より遥かに進化し続けている。
河童は真似をするのが得意技のひとつだ。豊かな子孫繁栄が叶うなら、人間界でそれを学んで生かすのも悪くない。
「武庫川と淀川で共同アカデミーを作って、人間界に乗り込んでやろうか」
5年前から密かに計画されていた『人間アカデミー』設立案件。
河童が、いきなり人間界で暮らすのはハードルが高い。まずは『人間アカデミー』で、ある程度暮らしていける知識を学ばせてから人間界に放つ。
「ワシらの秘薬がある限り、この計画なんか屁の河童やで」
「プライドばっかり高いエリート軍団はもう知らん。ワシらはワシらの道を行くちゅうねん」
関西の河童を取り纏める長老2匹は、鼻息荒く川を流れて行った。
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