第一章

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第一章

車も人も通っていない。屋根のない吹きさらしの、朝方の市電の停留所のひとつで少女がひとりうつむき、小雨に濡れながら始発が来るのを待っている。 少女は気を緩めたらすぐ泣き出しそうだったがぐっと奥歯を噛みしめて耐えていた。 「あたしはかわいそうなんかじゃない…」
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