第二章 

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夜の店で働くことを諦めたアイは市内の居酒屋で働きはじめた。 面接では容姿で色々言われることはなかった。 シフトどの時間帯でもいけます! 学校行ってないのでテスト休みとかいりません!いつでも大丈夫です! と伝えたら即採用された。 そこでアイは初めて好きな人ができた。 アイより20歳年上の彼は居酒屋の店長の友達で自営でなんでも屋みたいなことをしている人だった。 「アイちゃん、よかったらじゅんぺーの相手してやってよー 彼女もいないし暇なんだよこいつ」 店長は冗談のつもりで言ったが、 「よ、喜んで!あたしでよかったら! いつでも!」 と返事をしてしまった。 「…アイちゃんだっけ? かわいいね。」 その場にいた潤平が優しく笑った。 潤平はバイトのあとによく夜のドライブに連れていってくれた。 アイは太っている自分は同年代からは相手にされないと十分わかっていたし恋愛は諦めていたがずっと歳上の潤平のふとした優しさに救われていた。 このままでいいんだ 自分は愛されていいんだ こんな自分を受け入れてくれる人がいる 初めての感情に胸がいっぱいだった。
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