第三章

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19時ちょうど。 居酒屋に着いたらまだ相手の人達は来てないようだった。 店員から予約席に案内され座っているとしばらくしてひとりの男性が店員に案内されて席にきた。 みたかんじ20代半ばのようだった。 「みさきちゃん?」 その人はアイに向かって聞いてきた。 「いえっ、あの美咲はこっちです」 美咲が慌てて自分に指を差しながら訂正した。 「あ、ごめん!こっちがみさきちゃんか。看護学生だって聞いてたから俺はてっきり。 ごめんね、コギャルのみさきちゃん」 そういって美咲にウィンクした。 美咲は照れていた。 「連れが遅れそうなんだよねー。 先に頼んじゃおうか。ふたりは何を飲む?」 「じゃあ、あたしはカルアミルクで。アイは?」 「カシスオレンジください」 「オッケイ。じゃあちょっと待ってね」 男性は店員を呼んでドリンクを頼みついでにいくつか適当に料理も頼んだ。 慣れてる。 アイは感じていた。それは居酒屋でバイトしていたからコンパの客はよく来店していてそれをみていたからでもあったし夜遊びしていた時代にも体験していたが遊び慣れている男性は流れがスマートだ。 ふと美咲をみるとじっーと男性の仕草を凝視している。 美咲を肘でコツンと突いた。 「なに?見過ぎだよ美咲」 アイが小声で言うと 「あたし、タイプかも…」 美咲が小声で返した。
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