第三章

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結局シンジの友達がこないまま飲み会は終わった。 シンジの友達がバイトしているというビリヤード場に行こうとなり美咲とアイはシンジに連れられて繁華街を歩いてビリヤード場へ向かっていた。 少し大人になったアイは夜の繁華街を歩く。 あぁ。やっぱりあの時若かったんだな。 女子高生だったんだな。 怖いものは何も無くて椎原といる自分は無敵だったな。 色々痛い思いもしたけど今は何故か思い出すとこそばゆく甘しょっぱい。 懐かしいなーー。 アイは久しぶりに高揚を感じている。 少し酔っていたせいかもしれないし繁華街のクラクラする雑踏が心地いい。 クラクションも排気ガスもネオンも人の波もあちこちでみえる恋の駆け引きも夜の街でしか見れないこの景色に今夜は酔っていたいと思った。 アイは今夜またこの街で恋をするーー。 そんなこと夢にも思ってないアイは夜の街の空気に身を委ねていた。
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