第一章

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その日、椎原とアイは夜の繁華街で遊んで、時計は深夜を回っていた。 「ねぇキミらもう帰るん? 家どのへん?送っていくよ。」 人がまばらになった繁華街で20代後半の二人組に声をかけられた。 二人とも普段バイトをしていたが深夜に自宅まで帰る為にタクシー代をだせるほど財布は潤ってはいない。 二人で居酒屋の後に行ったカラオケの店前で電車が動く朝まで、どこで時間を潰すか算段中だった。 みたところ椎原は嫌な態度をとっていない。 「遠いから大丈夫ー」 「え?どのへん?いいよ送るよ」 「〇〇だよー」 「まじ?!おれんち〇〇の隣! 近いじゃんすげぇ偶然。」 「へーよかったじゃん 近いみたいだしいいじゃんアイ送ってもらいなよ」 「え?でも… 椎原は?」 「あー、 あたしはいい。 彼氏に迎え来てもらうから」 椎原に彼氏はいなかった。 「信じていいよ、俺たちは無害だよー(笑)」 「…うーん、じゃあそうしようかな。 椎原またね。明日電話するー」 「うん、ばいばい。」
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