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その日、椎原とアイは夜の繁華街で遊んで、時計は深夜を回っていた。
「ねぇキミらもう帰るん?
家どのへん?送っていくよ。」
人がまばらになった繁華街で20代後半の二人組に声をかけられた。
二人とも普段バイトをしていたが深夜に自宅まで帰る為にタクシー代をだせるほど財布は潤ってはいない。
二人で居酒屋の後に行ったカラオケの店前で電車が動く朝まで、どこで時間を潰すか算段中だった。
みたところ椎原は嫌な態度をとっていない。
「遠いから大丈夫ー」
「え?どのへん?いいよ送るよ」
「〇〇だよー」
「まじ?!おれんち〇〇の隣!
近いじゃんすげぇ偶然。」
「へーよかったじゃん
近いみたいだしいいじゃんアイ送ってもらいなよ」
「え?でも…
椎原は?」
「あー、
あたしはいい。
彼氏に迎え来てもらうから」
椎原に彼氏はいなかった。
「信じていいよ、俺たちは無害だよー(笑)」
「…うーん、じゃあそうしようかな。
椎原またね。明日電話するー」
「うん、ばいばい。」
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