第二章 

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1994年  高校を中退したアイはバイト生活をしていた。 郊外の実家の近くは飲食店、ファミレス、ディスカウントショップがやたらあったがもう近所では働きたくなかった。 知り合いに会いたくなかったアイは実家からバスで通える市内でバイト求人を探した。 歳を誤魔化して夜の店で働こうともしたが年齢云々でなく、ことごとく見た目で落ちていた。 「うちの客層は君には厳しいかもね」 「君には夜の世界は合わないと思うよ」 「痩せなきゃ雇う店はないんじゃない?」 90年代にはデブ専という言葉はなかったしぽっちゃり専門キャバクラはなかった。
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