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 葉桐薫、来栖治子、椿にとろ、それにストライカー装甲車を運転してきた六花鐘(りっかしょう)碧砂(へきさ)はそれぞれラーメンを食べきれず、残しものはすべて小佐野隊長の胃袋に消えてゆく。    そこへ行くと岡谷は普通に盛りがいいラーメンを野菜やにんにくをトッピングして完食した。  昼食とカード・ショップ〈バジル〉への営業も済まし、〈アンティセプティック・チーム〉の面々は靖国通りに近い有料駐車場に停めておいたストライカー装甲車に乗り込むところだった。  あのう、と岡谷が話を切り出した。  「これからもAST、いやアンティセプティック・チームだけでなく、中等部の特殊部隊、ブロードキャスト・チームやコットンキャンディ・チームの写真を撮っていきたい、命を張って。これは本心です……でも……」 「でも、何でしょう? 岡谷さん帰らないのですか、学園に」小佐野隊長が訊いた。 「さすがにずっと(サント)パルーシア学園内に男性のぼくがいてはいけないように感じます」 「どうしてかしらね? 岡谷さんのような過酷な戦闘の様子を記録する、そのなり手が必要なのですけど……」 「必要があるときだけ、魔界ポータルを使って、(サント)パルーシア学園のさまざまな部隊の映像記録を残すのには大賛成なのです……でも、同じ写真仲間、(サント)パルーシア学園のマニア同士、やはり普段は人間界に居たい。そのかわり、なにか戦闘でもあればぼくはまた映像記録を撮影、残すことをしたいのです。我儘(わがまま)かもしれませんが……」 「いいえ」と小佐野隊長。  薫も治子も碧砂もにとろも微笑んでいる。 「岡谷さんの望むやり方で、(サント)パルーシア学園の特殊部隊に密着取材する。わたしはそれでもいいと思います」  そして、小佐野隊長が言い切った。 「それに、あのような大規模な侵攻作戦はもう当分起きないでしょう。油断して言っているのではないのですけどね」
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