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これだから、困る。
「何を言ってんですか、いまさら」
敢えて軽い調子を作って、ロスはずっと顔に貼り付けていた不服の相をようやく崩す。
「危険な事態にこそ殿下と共にあるのが側近の仕事でしょう——お供しますよ、どこへだろうと」
こういうところが、この王族らしいのであり、だからこそ自分も仕えると決めたのだ。
それに——そう悪戯を叱られたような素直な顔で言われると、悔しいが弱い。こういうところも、妹王女そっくりで、この王族らしいのである。
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