第5話 探査(一)

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 これだから、困る。 「何を言ってんですか、いまさら」  敢えて軽い調子を作って、ロスはずっと顔に貼り付けていた不服の相をようやく崩す。 「危険な事態にこそ殿下と共にあるのが側近(自分)の仕事でしょう——お供しますよ、どこへだろうと」  こういうところが、この王族のであり、だからこそ自分も仕えると決めたのだ。  それに——そう悪戯を叱られたような素直な顔で言われると、悔しいが弱い。こういうところも、妹王女そっくりで、この王族のである。
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