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「おばあちゃま。このお人形かわいいね」
「気にいったのかい?」
「うん」
「このお人形さんはね、ずっとずっとこの家にいて、この家を見守ってくれているんだよ」
少女は人形を抱きしめて頬を寄せる。
「お名前は? そう、瑠璃ちゃんと言うのね。わたしはミツよ。いつからこの家にいるの? まあ! おばあちゃまの、おばあちゃまの、おばあちゃまが嫁入りの時に一緒にこの家に来たのね!」
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「瑠璃ちゃん、わたしね、お嫁に行くの。瑠璃ちゃんはこの家のお守りだから、これでお別れね。泣かないで瑠璃ちゃん。わたしも寂しいわ」
「……一緒に連れて行ってやりなさい」
「いいの? おばあちゃま?」
「ああ。きっとお前さんたちを引き離す方が良くない気がするんじゃ」
「ありがとう」
「大事にしてやりなさい」
「ええ、大切にするわ!」
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「ねえ瑠璃ちゃん見て? ちっちゃくて、ほわほわで、かわいいでしょう? 名前はね、落葉よ」
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「瑠璃ちゃん、落葉見て。弟よ」
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「かわいいかわいいわたしのおちとあお」
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「瑠璃ちゃん、ごめんね。わたしもう先が長くないわ。瑠璃ちゃんは前のお家に戻ってもいいわよ? なあに? わたしとずっと一緒にいてくれるの? 嬉しいわ、ずっと一緒ね。ありがとう、ずっと一緒よ」
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