春の幻影

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 褥の上に横になった瑠璃は青葉の寝息を聞いていた。    今日は青葉とご飯を食べた。  あかねとひよりと鞠つきをした。  川で着物を洗った。  昨日は青葉とご飯を食べた。  あかねとあかねの母に挨拶へ行った。  青葉が困った顔で手を繋いだ。  一昨日は……。  何も覚えていない。  その前の日も、その前の日も、何も思い出せない。  青葉に聞いたら教えてくれるだろうか。だが青葉はもう寝ている。  瑠璃は青葉の腕にぴたりと身を寄せた。青葉の腕はとても温かい。じきに瑠璃の目蓋が重くなっていく。    明日起きたら青葉に聞いてみよう。瑠璃はそう考えながら眠りに落ちた。    瑠璃は夢を見た。  幸せな夢だったと思う。  心が温かいまま一晩ぐっすりと眠ることができた。
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