引っ腰

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「こんばんは」 初顔合わせの隣人は若く可愛らしい女性でした。 一階にあるポストから郵便物を取り出していたら明るく声をかけられ挨拶を返しました。 エレベーターで共に3階へ。 中学校の教師をしているそうです。 彼女はとてもいい香りがしました。 このマンションに私が越してきたのは先々週のことです。 引っ越し業者で働いていて、重い荷物を運ぶのが日常です。 数日前、椎間板ヘルニアとの診断を受けました。 健康だけが取り柄だったのに歩くのもツラい。このままでは仕事を続けるのも困難で不安です。 しかも、付き合っていた彼女とは一月前に別れていますが、別れた後が最悪で、ストーカーじみた行為に悩まされていました。 そんな状況なので、隣人女性の笑顔と香りに癒やされたのです。 家に入ると郵便物を素早くチェックします。変な物は投函されていない、と、まずシャワーを済ませ髪を拭いていたらインタフォンが鳴りました。 ドアスコープから注意深く確認します。前の住居では、病み元カノが向こう側から目を当てていたという恐ろしい体験があったからです。
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