終わり?始まり?

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終わり?始まり?

「ここは……!?  俺は、死んだのか!?」 「あれっ! ドック……目を覚ましたのですか!?」 「……おぉ……その声は、フィン」 「お久しぶりです。 体調は、どうですか?」 「ぁぁ……何だか……ボォーとする。」 「それは、それは、10日ぶりの目覚めですからね。」 「…………10かぁーーー!!! 俺は、そんなに寝ていたのか!?」 「はい。 それはそれは、グッスリと……服まで全身タイツに戻りましたからね。」 「…………マジで! だから森に居るの?」 「いえ……これは、薬草を採取していただけです。」 「えっ!? でも、服は???」 「服はドックのスキル共有を使い大賢者さんが変えてくれました。」 「ああ、大賢者が…………って、フィン! 大賢者さんと話したの?」 「はい。 ドックがピクリともしなくなってから数日が過ぎた頃に、いきなり話しかけてきました。 そこでドックが眠りについている事や色々と聞きました。」 「そうだったのか……。 でも、何で!? このタイミングで話しかけたんだ……大賢者? 他にも話すタイミングは、合っただろう。」 『新たに覚えたスキル共有の力で、フィン様と話せるようになりました。』 「ぁぁ、そう言うことね。」 「でッ!!! 聞いて下さいよ!!!  ドック! 僕、実はレベルが上がったんですよ!!!」 「へぇ……そうなの。 それは、良かったね……。」 「もっと、驚いて下さいよ! ドック!!! 僕のレベルが上がったんですよ。 僕は、もう諦めていたんですよ!!! 4年ですよ! 4年!!! 4年間全くレベルが上がらなかったのに、いきなりレベルアップビックリするじゃないですか!!!」 「まあ、確かに…… でも、そんな事より…… 俺達……魔吸石ゲットしたよね。 これで、俺達の冒険は終わりだよね…… 俺は、その事の方が驚きなんですけど!!!」 「ああ……これの事ですか!?」 フィンは、空間収納から魔吸石を取り出した。 「そう! それ!!! 間違いなく魔吸石!?」 「はい。 間違いなく魔吸石です。」 「だよねー!!! だって、俺! 意識を失う前に、ちゃんと鑑定したもん。」 「ありがとうございます。 これで、妹を助けられます! そして、僕のステータスを見てください!」 「……たった今、旅の目的が無くなってしまったのに、テンション高いね君……。 分かった! 分かった! とりあえず、ステータスを見るから……」 * 名前 フィン レベル2 HP 60 MP 10 攻撃力 20 守備力 20 スピード60 * 「よわッ……!!! 大体、レベル1の冒険者と同じか…… それより少し弱いくらいのステータスじゃねーか!!!  てかッ……レベル1の時は、もっと弱かったのか!? そっちの方が驚きだよ!!!」 「むむ……でも、MPも表示されていますし。 僕も魔法が使えるようになるんですよ!」 「魔法なら俺の魔力を使えば、無制限で使えるじゃねーか!!!」 「ちゃんと、自分自身の魔力で魔法を発動させたいんですよ!!!」 「……それは、悪かった! それもそうかもしれないな。 悪い……長く寝ていたせいと色んな終わりを迎えたせいでテンパっていた。」 「いえ…… 僕も、レベルが上がった事に浮かれ過ぎて……すいません。 ドックには、本当に感謝しています。」 ぁぁ……そうだな。 今まで、上がらなかったレベルが上がり…… 妹を助ける為の魔吸石も手に入れた。 俺達の冒険は、これにて……【完】
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