買い物

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そうして、俺達は買い物に向かった。 そして、ただいま……俺のスタート地点である洋服屋に来ていた。 「いらっしゃいませ! どの様な服をお探しでしょうか!? ……って、フィン! じゃねーか!? お前、金はあるんだろうな?」 「ごめんなさい。 ありますから服を見てもいいでしょうか!?」 「あるなら別に構いは、しねーが……」 「おい! オヤジ久しぶりだな!!! 久しぶりの再会なのに、なかなかの物言いじゃねーか!!! 俺は、忘れてねーからな! 俺を捨てたお前の事を……俺がどれだけ! どれだけ…… あの後、苦労をしたか……お前に、分かるのかーーー!!!」 『どうしたんですか!? ドック……』 「フィン! 良いから、このオヤジを殺せ! さっさと殺せーーー!!!」 『ダメですよ! しかも、僕が勝てる訳ないじゃないですか!!!』 「そんな事は、知らん! とりあえず俺は、コイツだけは許す事が出来んのだ!!!」 「そんな事を言われても……」 「…………? 何だ!? どうしんだ? 用がないなら商売の邪魔だからどっかに消えろ。」 「うるせー!!! クソジジイ!!!」 「……何でもありません。少し服を見させて頂きます」 そうして、俺は怒りが収まらないままフィンの服を選ぶ事になった。 * * * 「お金は本当に、大丈夫なんですか!?」 「……ぁぁ……金ならある」 「では、これにします。」 フィンが選んだ服は、この店で1番安い物だった。 「……もう少しいい物を選べよ。」 「いや、でも……悪いですし」 「子供が気にするな! あの服なんて良いんじゃねーか」 「これですか……?」 「ああ……良いんじゃねーか! 着てみろ。」 「こんな高い服……」 「いいから、いいから!!!」 そう言って選んだ服は、フィンの髪と同じ色の白をベースとした民族衣装みたいな服だった。 「……ど……どうですか?」 「…………ぅ……ん…………似合ってる似合ってないの前に、前が見えない。」 「えっ!? 確かに、顔が隠れてしまいますね。……どうしましょう?」 「どうしたものかね……」 『服自体を食べて吸収すればよろしいかと。』 「え!? そんな事を出来るの? まぁ、良い物は試しだ! フィン服を脱げ」 「あ……はい! どうしたのですか?」 「それから脱いだ服を俺の口元に持って来てくれ!」 「……分かりました。」 そして、俺は服を食べ始めた。 ムシャムシャ……ムシャムシャ………… 「うわっ! 服を食べてる…………美味しいんですか?」 「……なんか…………何と言うか……美味しくは無い。」 ゴックン!!! 『白の民族衣装を吸収しました。 衣装を変えますか?』 「イエス!」 すると! フィンの着ていたコートが民族衣装へと変化した。 「うわっ! 衣装が変わった。 何ですか? これ!? どうしたんですか???」 「まぁ、俺のスキルによる物だ!!! そうだ! フィン良い事を考えた。 好きな服をありったけ持って来い!!!」 「……ダメですよ。」 コイツ……俺の考えてる事が何で分かった!? まぁ、分かるか……!!! 「他に欲しい物は無いか?」 「一着で十分です! 二着以上だと色々説明をするしか無いので……」 「それもそうだな……このスキルを使えば服なんて盗みたい放題だからな。 とりあえず、疑われないようにこの服の金だけ払って店を出るか。」 そうして、俺達はオヤジに服の代金を払って店を後にした。 * * * 「それにしても……あの民訴衣装! 意外と高かったな。」 「申し訳ございません。」 「いや、気にするな。  あれを選んだのは、俺だ! とりあえず、残った金で剣でも買うとするか?」 「そうですね。 武器がないとモンスターと戦えませんからね。」 それから俺達は、武器屋で残ったほとんどの金を使い果たし……ショートソードを手に入れた。
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