10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
藤城先生
そんな藤城先生だったが、趣味があった。
地味に、近所の散歩である。
老犬のゴンを連れた、ゆっくりの散歩だ。
藤城先生の家は、お城跡の近くなので、散歩コースには、お堀などがある。
そのお堀沿いを散歩する。
しかし、藤城先生には、悩んでいることがあった。
それは、散歩の時、マスクをするかどうか、である。
もう、しなくても大丈夫なのだが、藤城先生は、マスクをしたいのだった。
何故かと言うと、藤城先生は、顔を隠したいのである。
藤城先生は、一般的には、イケメンなのだが、本人は、自分のことを、かなり不細工だと思い込んでおり、まわりの人の迷惑にならないよう、マスクで顔を隠した方がいい、と思っていた。
いわば、藤城先生は、自意識過剰であった。
みんな、そんな、藤城先生のことを、気にしてないことに、気付いてなかった。
最初のコメントを投稿しよう!