【完結】藤城先生は、疲れすぎて小説が書けない

4/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
藤城先生は、ずっと子どもの頃から、こんな感じだったので、友達もいなかった。 そして、登校拒否生徒であった。 学校というものに、何から何まで馴染めなかった。 大体が、容姿、性格、生い立ち、学力、、全てが違う生徒が、みんな、同じ制服を着せられ、狭い教室に押し込められる学校というものが、藤城先生には、信じられないくらい異質なものだった。 当然のように、藤城先生は、入学した途端、学校に行けなくなった。 当時は、藤城先生にも、お父さんがいたが、お父さんは、藤城先生を無理に学校へ行かせようとは、しなかった。 「世界は広いんだ」 お父さんの口ぐせだった。 しかし、お父さんは、漁師だった。 「一成、海は広いぞ。漁師にならないか?」 お父さんは、いつも、そう言っていたが、軟弱な藤城先生には、自分が漁師には向いていないことは、よく分かっていたのだった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!