ナポレオン

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ナポレオン

『ナポレオンの辞書に不可能と解けない謎は存在しない!』  ナポレオンは不敵な笑みを浮かべた。  圧倒的な自信だ。 「ぬうゥ」  マジなのか。 「わかったわ。でももし音声検索して真犯人がわからなかったらどうするの?」  本妻のレイラが聞き返した。みんなも是非とも訊きたいことだろう。 「どうするんだ。おぼっちゃま探偵くんよォ?」  ヤンキーのカズヤもカサにかかってきた。 「うッううゥ……」  ボクは応えようがない。 「フフゥン、その時は私が責任を取りましょう」  けれども美人刑事の石動(イスルギ)リオが自慢げに応えた。 「はァ、あんたが責任ねえェ」  ヤンキーのカズヤは値踏みをするようにリオの美脚を見つめていた。  目つきがヤケに嫌らしい。 『では、みなさん。よろしいでしょうか?』  ナポレオンは先頭に立って号令をかけた。 「ウン」  仕方がないのでボクもスマホを手に持ち検索の用意をした。 「8月1日。名前」  一斉に全員が声を揃えた。 「あ!」  たちまち検索結果が画面に表示された。 「まさか?」      
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