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クライマックス
画面には『ほずみ』と表示されていた。
「おおォーーーッ!」
誰かが驚嘆の声を上げた。
「ほずみ?」まったく意外な人物だったのでボクも驚いた。
ボクの予想では愛人の雲母アスカが次男の九十九リョウとグルになって鬼堂豪を殺害したと思っていた。
一斉にボクたちは長男の鬼堂ほずみを見た。
「ううゥ……」
鬼堂ほずみは小さくうめき声を上げた。
『旧暦の8月1日は稲穂を刈る。つまり『ほずみ』なんですよ!』
ナポレオンは博識なところを見せた。
まったく小学生とは思えない。
「鬼堂ほずみさん。あなたがお父様の鬼堂豪氏を殺めたんですね」
美人刑事の石動リオが長男のほずみを睨んだ。
「ううゥ……」
さすがにほずみも本当に名前が表示されるとは思わなかったみたいだ。
表情が強ばり頬が引きつっていた。
『あなたはギャンブルの借金で消費者金融からだけではなく、ヤミ金からも多額の借金をしてますね。首が回らずいろんな方に無心していた』
「そ、それは」
『そのことがバレて鬼堂豪氏はあなたを遺産相続人から外すと告げてきたんでしょう。そうなったら大変だ。あなたは鬼堂氏の前でギャンブルを二度としないと誓ったが、豪氏からは許されず、カッとしたあなたは豪氏の胸を刺したんだ』
「ううゥ……」
『その後、あなたは鬼堂豪氏のスマホを使いみんなにラインを通じて連絡した。その際、丸ハラのことにまで気が回らず、いつも通り丸を省略して送ってしまったんです!』
「ぐぅ……」
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