ダイイングメッセージ

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ダイイングメッセージ

『ところで、ダイイングメッセージの『81』になにか心当たりは?』  ナポレオンが容疑者全員にたずねた。 「さァね。八神一(ハジメ)じゃないのか。八神の8とハジメの1だろう?」  ヤンキーのカズヤは意味深に微笑んでボクの顔を見た。 「ボクじゃない。ボクが殺すはずがないだろう!」  首を左右に振って懸命にアピールした。 「ケッケケ、だいたい真犯人は『オレが殺すワケない』って言うものさ」  さらにシャレにならないことを言い出した。 「ううゥ、だったら一八(カズヤ)さんだって怪しいでしょ!」  ボクも悔しくなって反論した。 「そうよ。あなたも1と8じゃん」  愛人のキララアスカもカズヤを指差した。 「はァ、オレを名指しするなら『18』って書くだろう。なのにあえてオヤジは『81』って血文字で書いたんだ。オレよりお前らがグルになってオヤジを殺したんじゃないのか」  続けてカズヤは愛人のキララアスカと九十九(つくも)リョウを指差した。 「オレたちは別に」 「そうよ。グルじゃないわ」 「オヤジはキララと九十九(つくも)が出来ている事を知って激怒して遺産の相続人から外そうとした。そこで九十九(つくも)が凶器のナイフで刺したんだ。だからオヤジは死力を振り絞って、『81』ってダイイングメッセージを残したんだろう」 「ふぅむ、九十九(つくも)さんと81は何か関係あるのですか」  鰐口警部補が素直に疑問を口にした。 『ええェ、九九ですね。九九の解は81でしょう。『つくも』さんは九十九と書きます』  すぐさまナポレオンが視覚化した。  つくもリョウは『九十九』と書いた。  
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