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ーーーまったくもって生きづらい世の中になったものだ。
時は2052年。
日本の侍が題材のドラマが大ヒットして世界規模で社会現象となり、日本はその流れから"とある制度"をつくった。
それが"ハラキリ"だ。
人が大きな過ちを犯すと、民衆裁判というものにかけられる。
殺人や傷害など明白な罪ではなく、むしろ詐欺や迷惑行為などの事例が取り上げられる事が多かった。
全国民が自分の携帯電話でその罪が裁かれるべきものか決めて投票するのだ。
その結果により政府から『ハラキリを命ずる』と記された通知書が届く。
ハラキリといっても、時代劇のように実際に腹を掻っ捌くわけではない。
おもちゃのようなプラスチック製の刀で切腹の真似事をする。
その様子は投票をしたすべての人の携帯電話に映像で配信される。
そうして"罪人"は文字通り、社会から抹殺されるのだ。
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