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夜が更けていくと、俺と風間は互いにすっかり出来上がり、畳の上には缶が散乱していた。
俺は缶を持ったまま目の前の顔を指差す。
「がっかりだよ、アンタには心底がっかりした」
頭をぐらぐらとさせながら、回らない呂律で俺はそう言った。
「ギターかき鳴らして歌ってたあの頃のアンタは、本当に神様みたいだったのにさ。今のそのザマは何なんだよ」
「…………」
「不倫して若い女にうつつ抜かして、挙げ句の果てにハラキリなんてさ。マジでダッセェ」
「………その通りだな」
風間はふと遠い目をしながら持っていた缶の中身を飲み干した。
「人様に顔向けできないクズだよ、俺は。こうなって当然だ」
悲しげな横顔がぐにゃりと歪む。
瞼が鉛のように重たくなってきて、俺は堪えきれずその場にへたり込んだ。
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